治療法となり得るカプセル化細胞治療薬
武田薬品工業株式会社と米国NsGene社は、1月8日、パーキンソン病の治療法となり得るカプセル化細胞治療薬について、共同研究契約を締結したと発表した。
この共同研究では、遺伝子組換え型グリア細胞株由来神経栄養因子を、埋め込み型・カプセル化細胞治療デバイスを用いて脳の罹患部位へ送達できるよう、研究を実施するとしている。
治療効果をもたらす可能性を追求
グリア細胞株由来神経栄養因子は、パーキンソン病に対する治療効果が期待されている神経再生成長因子。注目を集めているが、しかし同因子を脳の罹患部位に送達させる点では、まだ課題を有している。
NsGene社は、ブラウン大学で生み出された細胞治療に関する基礎技術を、臨床応用可能なレベルへと発展。NsGene社のデバイスには、免疫遮断性のカプセルに遺伝子組換え細胞が充填されており、治療レベルの生理活性物質を、移植後長期間にわたり産生し続けることが出来る。
両社が実施する共同研究では、外科的に移植したデバイスに充填された遺伝子組換え細胞が、グリア細胞株由来神経栄養因子を標的部位で直接放出し、神経細胞の生存と再生を促進することにより治療効果をもたらす可能性を追求する。
重要な科学的マイルストンの達成を目指す
NsGene社は今回締結された共同研究契約により、武田薬品から研究費の支援を受ける。同社はより技術をさらに発展させ、重要な科学的マイルストンの達成を目指すという。
武田薬品はこの共同研究を、画期的な生物学的製剤による治療法および埋め込み型の薬物送達システムの開発を追求する同社の取り組みの一環と位置づけている。

パーキンソン病に対するカプセル化細胞治療薬の共同研究契約締結について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2016/