副作用を伴う既存治療
ナノキャリア株式会社は、2016年1月8日、頭頸部がんを対象としたNC-6004ナノプラチンの第I/II相臨床試験について、米国FDAに治験計画届書を提出したと明らかにした。
頭頸部がんの新たな罹患者は世界で年間約65万人とがんでは6番目に多く、扁平上皮がんが全体の約90%を占める。
遠隔転移再発頭頸部扁平上皮がんの場合、抗がん剤シスプラチン、5-FU、セツキシマブの3剤を併用する治療を行うが、化学療法としての副作用をまぬがれていない。
ドラックデリバリー製剤のNC-6004には、シスプラチンの抗腫瘍性を効果的にすることに加えて、副作用を抑制する働きがあり、患者のQOLを向上する新たな治療選択肢として期待できる。
対象疾患を拡大
米国での臨床試験は約3年間を予定し、第I相で遠隔転移再発頭頸部扁平上皮がんに対する5-FU、セツキシマブとの併用によるNC-6004の安全性と忍容性を検討し、NC-6004の推奨容量も決定する。第II相では5-FU、セツキシマブとの併用によるNC-6004の有効性を探索する。
同社は、米国、日本、アジアで頭頸部がんを対象とするNC-6004の開発を進める方針だが、他にも、対象疾患を拡大した臨床試験6本を各国で実施するなど、NC-6004の製品価値の向上に努めている。

ナノキャリア株式会社 プレスリリース
http://pdf.irpocket.com/C4571/OumS/qzGe/eqbC.pdf