細胞治療医薬品MultiStem
株式会社ヘリオス(以下、ヘリオス)とAthersys,Inc.(以下、アサーシス社)は、2016年1月8日、アサーシス社が開発したMultiStemを用いた脳梗塞治療を目的とする再生医療において提携したと発表した。
MultiStemはアサーシス社が特許を取得した量産可能な幹細胞製品である。炎症や組織の損傷のシグナルに反応し、治療効果のある物質を産生するなど組織の修復、治癒を促進するとされている。
多方面の治療アプローチをもつ点や数年間の凍結保存ができ、免疫抑制剤が不要な点に特長がある。前臨床や臨床試験での安全性や有効性などから、MultiStemによる細胞治療がアンメットメディカルニーズに応えると期待されている。
現在、脳梗塞に対する第2相臨床試験が米国・英国で実施されており、他に、ARDS、心筋梗塞、GVHD(移植片対宿主病)の予防などでも開発が進められている。
契約について
今回の契約で、ヘリオスは日本での脳梗塞の治療薬開発においてMultiStemの独占的な権利を有する。日本に限り、ヘリオスが開発・販売を担当し、アサーシス社が製造・供給する。
加えて、両社は、急性呼吸促迫症候群(ARDS)と整形外科領域疾患を適応症とする開発について日本を対象とした独占的なオプション契約を締結した。
ヘリオスと横浜市立大学は、臓器の芽(organ bud)の移植により生体内でヒト臓器を創出する再生医療製品を共同開発しているが、肝疾患領域を対象にアサーシス社の技術を使用する権利も許諾された。

株式会社ヘリオス・Athersys,Inc. プレスリリース
https://www.healios.co.jp/