EGFR-TKI阻害剤
2015年12月18日、アストラゼネカは、欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会(CHMP)が、TAGRISSO(一般名:osimertinib)について、局所進行あるいは転移性の上皮成長因子受容体(EGFR)T790M変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者に対する治療薬として、販売承認を勧告する肯定的見解を採択したことを発表した。
今回肯定的見解を得た適応には、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による治療中又は治療後に病勢が進行したNSCLC患者、EGFR-TKIによる治療を受けていないT790M変異陽性患者を含む。
Osimertinibは活性化・感作性変異(EGFRm)、及びEGFR-TKI治療耐性に関与する遺伝子変異であり、T790Mの両方を阻害するよう設計されているEGFR-TKIである。EGFR-TKIによる治療後に病勢が進行したEGFRm陽性NSCLC患者の3分の2近くはT790M耐性変異を発現し、その治療選択肢は限定されている。
Osimertinibの各国での承認・優先審査指定
Osimertinibは現在までに、米国において迅速承認を受け、英国において医薬品早期アクセスプログラムに採択されている。日本では、医薬品医療機器機構(PMDA)から優先審査品目に指定されており、世界の他地域においても、薬事当局との協議が進展中である。
欧州では、肺がんにより毎年26万人が死亡しており、新規治療薬に対する緊急のニーズがある。今回のCHMPによるosimertinibの販売承認取得に対する肯定的見解の勧告は、欧州のEGFRm T790M陽性非小細胞肺がん患者に希望をもたらすものとなる。

アストラゼネカ プレスリリース
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