新規抗がん剤として開発中
オンコセラピー・サイエンス株式会社は、2015年12月28日、TOPK(T-LAK cell-originated protein kinase)特異的阻害剤について、物質特許「三環化合物およびこれを含有するPBK阻害剤」が日本で登録されたことを明らかにした。
TOPKは中村祐輔研究室のゲノム包括的遺伝子解析により新規の抗がん剤標的分子として同定されている。米国では、日本での登録に先行して2015年3月6日に登録済みである。同社によると、今回の件が業績に影響することはない。
TOPK阻害剤の可能性
TOPKは正常な組織でほとんど発現しない一方で、乳がんや肺がんなどをはじめとする多くのがん種での顕著な発現が見られる。このことから、TOPKに作用する薬剤が開発された場合、適応するがん種が多様であること、副作用のリスクは極めて低いことが予測される。
TOPK阻害剤がFLT3-ITD変異を持つ急性骨髄性白血病に対して有効である可能性も示唆されており、同社がプレスリリース(「共同研究者のシカゴ大学グループからの論文公表に関して」)で2015年10月6日に発表した。
同社は今後も引き続き、TOPK阻害剤の開発を進めていく方針である。

オンコセラピー・サイエンス株式会社 プレスリリース(TOPK特異的阻害剤の特許登録)
http://www.oncotherapy.co.jp/オンコセラピー・サイエンス株式会社 プレスリリース(シカゴ大学グループからの論文公表)
http://www.oncotherapy.co.jp/