FDA優先審査指定から3か月で承認取得
2015年12月14日、中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、ロシュ・グループのジェネンテック社がALK阻害剤「アレクチニブ塩酸塩」(販売名:アレセンサ)について、FDAから「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の転移性非小細胞肺がん」を効能・効果とした承認の取得を発表した。
アレセンサ
アレセンサは、中外製薬が創製したALKへの選択性が高い経口のALK阻害剤である。非小細胞肺がん患者の2~5%で報告されているALK融合遺伝子発現細胞は、恒常的にALKのキナーゼ活性が上昇しており、細胞増殖が制御されないため、細胞が腫瘍化していると考えられている。
アレセンサは、このキナーゼ活性の選択的阻害により、腫瘍細胞の増殖を阻害し、細胞死を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する。さらに、アレセンサは中枢神経系において活性があり、脳転移に対しても有効性が確認されている。
アレセンサは中外製薬が創製し、世界に先駆けて2014年7月に日本で承認済みであり、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを効能・効果、販売名「アレセンサカプセル20mg、同40mg、同150mg」として、販売している。
米国での迅速承認
アレセンサは、クリゾチニブ投与後に病勢進行が認められたALK陽性の非小細胞肺がん患者への投与について、2013年6月にFDAより画期的治療薬指定を受け、また2015年9月には優先審査品目にも指定されていた。
FDAの迅速承認は、重篤な疾患に対してアンメットメディカルニーズを満たす治療に関し、条件付きで承認するものであり、アレセンサは、その奏効率と奏効期間に基づいて迅速承認された。効能・効果の継続的承認には、検証試験により臨床的有用性を確認することが条件となっている。
今回の迅速承認により、「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の転移性非小細胞肺がん」に罹患している、米国の患者の治療に使用可能となった。

中外製薬株式会社 ニュースリリース
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