小児期の自閉性障がいに伴う興奮性に対する効能・効果追加申請と剤形追加
大塚製薬は、抗精神病薬「エビリファイ」の小児期の自閉性障がいに伴う興奮性に対する効能・効果追加申請、および「エビリファイ錠1mg」の剤形追加申請を行ったことを発表した。
米国では承認取得済
同社は、2009年11月に米国で同剤について自閉性障がいに伴う興奮性の効能・効果で6歳から17歳の小児患者に対する承認を取得している。
また、日本では、2011年に日本小児心身医学会、日本小児精神神経学会、日本小児神経学会の3学会より医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議に自閉性障がいに伴う興奮性に対する開発要望が出されていた。
承認申請に関する日本での臨床試験は、自閉性障がいと診断されかんしゃくや攻撃性、自傷行為およびそれらの複合行為と行った行動障がいのある興奮性を伴う6歳から17歳の自閉性障がいの患者を対象に実施。その結果、同剤の有効性と安全性が確認されている。
エビリファイ
エビリファイは大塚製薬が創製し、開発を行ったドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用を持つ抗精神病薬で、ドパミン活性が過剰である場合はドパミン活性を抑制し、逆にドパミン活性が低下している場合には活性を増加させる作用がある。
自閉性障がいは脳の機能障がいが引き起こしているとされている。また、病気に伴う行動障がいにはいくつかの神経伝達物質が関与しており、興奮性の行動障がいにはドパミン神経系との関連性が高いことが判明している。そして、抗ドパミン作用を持つ抗精神病薬が興奮性に対し有効であることが観察されていることから、エビリファイの作用機序から興奮性に対する効果が期待されている。

大塚製薬 ニュースリリース
https://www.otsuka.co.jp/company/release/