スイスのノバルティス社が11月24日に発表
ノバルティス ファーマ株式会社は、12月4日、「LCZ696」が心不全治療薬として欧州委員会より承認を取得したことを明らかにするプレスリリースを発表した。
このプレスリリースは、同社の本社にあたるスイスのノバルティス社が11月24日に発表したものの翻訳。
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬
「LCZ696」は、心不全における心臓の負荷を軽減するアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬。NPシステムやナトリウム利尿ペプチドシステムなど、心臓に対する防御的な神経ホルモン機構を促進する。また、RAASやレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系といった、有害な機構を抑制する作用を持つ。
今回同剤が欧州委員会より取得した承認は、左室駆出率の低下した症候性の成人慢性心不全患者に対する治療薬としてのもの。この承認は、8442名の患者が参加した臨床試験の結果に基づくものであり、同試験は同剤が心血管死のリスクを有意に減少させることを示した時点で、早期終了している。
欧州で1500万人近くが罹患している心不全
ノバルティス社は今回の「LCZ696」承認取得について、左室駆出率が低下した慢性心不全に苦しむ欧州の何百万もの患者に、余命の延長と入院回数の減少という希望をもたらすとしている。
心不全は、欧州で1500万人近くが罹患しており、その約半数が左室駆出率の低下を示しているという。

ノバルティスのLCZ696、心不全治療薬としてEUで承認を取得
http://www.novartis.co.jp/news/2015/pr20151204.html