導出する契約を締結
エーザイ株式会社は、アトピー性皮膚炎を対象に臨床第2相試験段階にある自社創製のホスホジエステラーゼ4(phosphodiesterase4、以下PDE4)阻害剤E6005を、Roivant Sciences Ltd.(以下Roivant社)に導出する契約を締結したと発表した。
これにより、Roivant社はE6005の研究・開発を実施するなど、日本を含む全世界をライセンス対象地域とした研究、開発、製造、販売に関する独占的権利を有する。
Roivant社は、独自のビジネスモデルで他社の臨床パイプライン製品の戦略的買収を行う製薬会社である。同社はRoivant社から契約一時金や開発進捗に応じたマイルストンペイメント、上市後の売り上げ収益に応じた一定のロイヤルティを受領することになる。
選択的PDE4阻害剤として
同社が筑波研究所で創製したE6005は選択的PDE4阻害剤であり、セカンドメッセンジャーのサイクリックAMPを分解する酵素のPDE4は、炎症・免疫の制御に関わりがあるとされる。
同社の行ってきた非臨床試験と臨床試験により、PDE4を選択的に阻害するE6005が、痒みと炎症の相互作用で悪化・慢性化するアトピー性皮膚炎に対して抗炎症作用と痒み抑制作用を示すことがわかった。また、成人と小児アトピー性皮膚炎を対象とした臨床試験で安全性も確認されている。
同社は、E6005がRoivant社に導出された後、アトピー性皮膚炎などの炎症・免疫系疾患の治療に貢献することを期待している。

エーザイ株式会社 プレスリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201578pdf.pdf