承認審査の迅速化を図るファスト・トラック
日東電工株式会社は、11月20日、同社の肝硬変治療薬「ND-L02-s0201」について、米国食品医薬品局(FDA)よりファスト・トラック(優先承認審査制度)の指定を受けたと発表した。
同制度は、新たな治療薬の開発を促進すべく、承認審査の迅速化を図る制度。
肝線維症と肝硬変が対象疾患
日東電工は現在、「ND-L02-s0201」の治験第1相b/2相試験を日米欧で進めている。2015年11月13日から17日にかけて米国で開催された米国肝臓学会『The Liver Meeting 2015』では、その進捗に関して報告を行った。同薬は、中間結果では安全性に問題がなく、薬効の兆し等もあり順調に進捗しているという。
この中間結果に基づき同社は、同薬をFDAへ申請。結果、FDAより「非アルコール性脂肪性肝炎およびC型肝炎に伴う肝線維症と肝硬変」を対象疾患として、ファスト・トラックの指定を受けることとなった。
早期承認につなげることが可能に
ファスト・トラック指定制度は、深刻な疾患に対する新たな治療薬の開発を促進し、承認審査の迅速化を図る目的で設けられた制度。
指定を受けた薬剤は、開発および承認審査の全期間において、FDAと開発者間で迅速かつ頻繁な協議や連絡が行われ、早期承認につなげることが可能となる。
日東電工は今後も、難治性疾患の治療薬を多くの患者へ提供できるよう、引き続き取り組むとしている。

肝硬変治療薬の開発進捗および米国FDAからファスト・トラック指定 - 日東電工株式会社
http://www.nitto.com/jp/ja/press/2015/1120.jsp