札幌医科大の間葉系幹細胞を用いた再生治療
ニプロ株式会社は、2015年11月13日、札幌医科大学と共同開発している「脳梗塞及び脊髄損傷の治療に用いる自己骨髄間葉系幹細胞」に関連した製造用の設備や試薬、消耗品を研究開発するため、「再生医療研究開発センター(仮称)」を札幌市に建設すると発表した。
札幌医科大学が行っている再生治療の研究は、患者の骨髄に含まれる間葉系幹細胞により脳神経や血管、中枢神経の損傷を修復させるもので、神経や血管などに分化できる間葉系幹細胞を体外で約1万倍に増殖させた後、静脈から点滴投与して行う。
同大は、2013年2月に脳梗塞患者に医師主導治験(第3相試験)を、2013年12月に脊髄損傷患者に医師主導治験(第2相)を開始し、現在に至っている。
ライセンス契約を締結
同社は、札幌医科大学と「脳梗塞、脊髄損傷における自己骨髄細胞を用いた再生治療」のライセンス契約を2014年4月に締結した。それ以降、同社の研究員を同大に駐在させて、製造人員の育成、製造に必要な設備の開発、医療現場に必要な製品・サービスの開発に努めてきた。
今回の再生医療研究開発センターの建設には、共同開発の基盤として培養技術の修得、大量生産に適した培養設備、消耗品の開発を強化することで、研究を迅速に実用化する目的がある。施設は鉄骨鉄筋コンクリート造りの8階建て、2016年8月末の竣工を予定している。

ニプロ株式会社 プレスリリース
http://www.nipro.co.jp/news/document/151113_1.pdf