国立がん研究センター・アストラゼネカ
国立研究開発法人国立がん研究センター(以下、国立がん研究センター)とアストラゼネカ(以下、アストラゼネカ)は、国立がん研究センターが開発中の質量分析イメージング法(Mass Spectrometry Imaging: 以下、MSI)を用いて、アストラゼネカの新規抗がん剤の、腫瘍組織への局在を解析する非臨床共同研究契約を締結したことを発表した。
国立がん研究センターとアストラゼネカは、新規抗がん剤に関する臨床開発と非臨床研究の推進を目的とする包括共同研究契約をそれぞれ2011年、2012年に締結し、数多くの臨床並びに非臨床共同研究を実施してきた。
共同研究契約締結のメリット
今回の契約により、国立がん研究センターがアストラゼネカの抗がん剤候補を用いての共同研究を進めることで、高度先駆的医療技術の臨床試験への応用を積極的に進めていく。
アストラゼネカとしても、日本のがん研究の最先端にある医療機関と連携することで、これまでに築きあげた基盤を更に発展させ、日本における臨床開発を世界水準にまで引き上げることが可能になる。両者が共に働くことにより、優れた抗がん剤を迅速に開発し、一日も早く患者に提供できる可能性が高まる。
MSI
国立がん研究センターにおいて開発中のMSIは、腫瘍組織で起きる抗がん剤の複雑な相互作用を、放射性同位体の使用なしで直接分析できる技術である。国立がん研究センター・先端医療開発センターの濱田哲暢主導により、創薬研究への応用を検討され、世界をリードする高度先駆的医療技術として注目されている。
今回の締結により、国立がん研究センターとアストラゼネカは、坦がん動物モデルにおいて採取された、腫瘍組織への抗がん剤分布の解析結果と治療効果を比較し、人を対象とする臨床試験における生体腫瘍組織検査に応用し、抗がん剤の腫瘍組織分布を解析・評価する「橋渡し研究」(Translational study)として、MSIの応用を計画している。

アストラゼネカ プレスリリース
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