抗NGF抗体ファシヌマブ
田辺三菱製薬株式会社(以下、田辺三菱製薬)は、2015年9月29日に米国のリジェネロン社と「ファシヌマブ」について協業契約を締結した。
疼痛が発生するとNGF(神経成長因子Nerve Growth Factor)が分泌されるが、抗NGF抗体ファシヌマブには、これと結合することでNGFを作用させない働きがある。結果的に疼痛が緩和される。
リジェネロン社はこれまでに変形性関節症のフェーズ2の臨床試験を米国で実施しており、さらに、フェーズ2b/3を開始したところである。これらの臨床試験により、ファシヌマブが中等度から重度の疼痛を早期に緩和させることが実証されている。
今後、田辺三菱製薬は、日本国内で、ファシヌマブを変形性関節症や慢性腰痛を適応症として開発することで、筋骨格痛を抱える患者に治療の選択肢を提供する考えである。
協業契約について
今回の契約で、田辺三菱製薬は日本、韓国、中国を除くアジアにおいてファシヌマブを独占的に開発、販売する権利を取得する。
これに伴い、リジェネロン社に契約締結時の一時金と今期の支払金を合計で5,500万ドル支払うことになっている。ファシヌマブが発売されるまでの開発マイルストン、開発費の一部負担に対して最大で17,000万ドル、加えて、発売された段階で販売額に対応した一時金として最大で10,000万ドルの支払いが必要となる見込みである。

田辺三菱製薬株式会社 プレスリリース
http://www.mt-pharma.co.jp/