切除不能な日本人胸膜または腹膜悪性中皮腫患者が対象
2015年10月8日、アストラゼネカ株式会社は、同社が開発を進めるヒト型抗ヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)モノクローナル抗体「Tremelimumab」について、国内第1相臨床試験を開始したことを明らかにした。
この試験は切除不能な日本人胸膜または腹膜悪性中皮腫患者を対象としており、その二次治療または三次治療における同剤の安全性、忍容性、薬物動態および予備的抗腫瘍効果を検討する非盲検多施設共同第1相試験となる。
国内約13医療機関において約40症例登録を目標に同剤の評価を行っていく。
FDAからは悪性中皮腫治療薬として希少疾病用医薬品に指定
同剤は2015年4月に米国食品医薬品局(FDA)より、悪性中皮腫治療薬として希少疾病用医薬品に指定されている。
活性化T細胞における抑制的調節因子であるCTLA-4と、そのリガンドである抗原提示細胞上のB7(CD80/CD86)分子との結合を阻害する働きがあり、ヒトの免疫システムに関連するT細胞を活性化するよう設計されている。
国内でも2014年5月から固形がん一般を対象とした国内臨床試験が開始されていたが、同社は悪性中皮腫治療におけるアンメットニーズを考慮して今回の試験を開始するに至ったとしている。

アストラゼネカ株式会社 プレスリリース
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