JCRファーマが造血幹細胞移植後の急性GVHDの適応で取得
JCRファーマは、ヒト間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生医療等製品「テムセル(R)HS注」(開発番号:JR-031)が、「造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病(急性GVHD)」を適応症とする製造販売承認を取得したと発表した。他家由来の再生医療等製品としては、日本初の製品となる。
なお、再生医療等製品に利用する細胞や組織について、患者自身のものを用いたものが自己由来、他の人の細胞や組織を用いる場合を、他家(由来)と分類されている。
テムセル(R)HS注
テムセル(R)HS注は、同社が2003年に米国オサイリス社(Osiris Therapeutics, Inc.)から技術導入し、日本国内において造血幹細胞移植後に発症する重篤な合併症である急性GVHDの治療製品として開発を行ってきた。
同剤は、健康な成人から採取した骨髄液から分離し、拡大培養したMSCを静脈内に投与し、その細胞自体が持つ能力を利用して疾病を治療するという画期的な製品。
また、他家細胞は移植などの際に、拒絶反応が起こる可能性があるため、組織型を合わせることが必要とされている。しかしながら、同剤は他家細胞であるにもかかわらずMSC自体の免疫原性が弱く、通常の医薬品と同様に、組織型等を合わせる必要性がなく、必要とされる患者に広く投与できるというメリットがある。
そのため急性GVHDの治療における更なる選択肢となることが期待されている。

JCRファーマ ニュースリリース
http://www.jcrpharm.co.jp/news/20150918_3977