Chromovert技術とCC8464
アステラス製薬株式会社(以下、アステラス製薬)は、米国のChromocell Corporation(以下、Chromocell社)と、神経障害性疼痛と他の疼痛に対する新規治療薬の開発、商業化のライセンスと提携について契約を締結したと2015年9月30日に発表した。
アステラス製薬はこの契約により、Chromocell社がもつ創薬技術、Chromovert技術が見出した先行化合物のCC8464とバックアップ開発候補化合物を、世界で開発、販売する権利を得る。
イオンチャネルのNaV1.7は痛みの伝達に関与する膜タンパク質であるため、末梢に作用する選択的NaV1.7遮断経口薬のCC8464は、慢性疼痛疾患や治療が困難とされる希少疾患に有効な可能性がある。2016年初頭、CC8464のIND(新薬の臨床試験開始届 Investigational New Drug)を申請する予定である。
契約の履行
神経障害性疼痛を対象とするCC8464の開発は、Chromocell社が第II相POC試験まで行い、それ以降の商業化までの過程をアステラス製薬が行う。
アステラス製薬は、CC8464およびバックアップ開発候補化合物の開発、販売する権利に対して契約一時金の1,500万ドルを、開発と販売マイルストンの達成により5億ドル以上、CC8464の売り上げによるロイヤリティを別途支払うことが予想される。
CC8464について、Chromocell社は希少疾患などの追加適応や非経口剤などで追加に開発する場合の権利をもち、アステラス製薬がそれらの開発を引き継ぐ権利を行使し、追加の支払いや米国での共同販促などが付随することになる。

アステラス製薬株式会社 プレスリリース
http://www.astellas.com/