抗真菌剤「ホスラブコナゾール」を共同開発
エーザイ株式会社は、9月10日、真菌性菌腫の治療薬創出について、非営利研究開発組織であるDrugs for Neglected Diseases initiative(以下「DNDi」)と共同開発契約を締結したと発表した。
同契約は、真菌性菌腫に対する新規治療薬として、エーザイが創製した抗真菌剤「ホスラブコナゾール」を共同開発するというもの。
アンメット・メディカル・ニーズが高い真菌性菌腫
真菌性菌腫は、世界で最も顧みられない病気の一つであるマイセトーマすなわち菌腫の中でも、アンメット・メディカル・ニーズが特に高い疾患。
同疾患は、アフリカ大陸などの熱帯および亜熱帯地域に多く見られる感染症であり、中でもスーダンでは特に広く蔓延している。一般的には、汚染された植物のとげの上などを裸足で歩くことにより真菌が皮膚から体内に侵入して感染すると考えられているが、明確な感染経路は未だ解明されていない。
主な症状は、手足に現れる巨大な腫瘍であり、症状が進行すると歩行や労働が困難となる。蔓延地域においては、貧困や偏見などの社会問題や経済的損失をも引き起こす要因となっている。
真菌性菌腫に対する強い抗真菌作用を示す
現在使用されている真菌性菌腫の治療薬は、高価かつ毒性が強く、患者の約3割しか治癒しないといった課題を持つ。しかし抗真菌剤「ホスラブコナゾール」は、真菌性菌腫に対する強い抗真菌作用を示すことが確認されている。
今回締結された契約に基づき、DNDiは同剤の真菌性菌腫患者を対象とした臨床開発を主導し、その有効性および安全性を検証。エーザイはDNDiに対し、同剤に関する科学的専門知識ならびに治験用製剤を提供するとしている。

DNDiとエーザイ、真菌性菌腫の治療薬創出に向けた共同開発契約を締結 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/news/news201561.html