腫瘍への治療効果がより高い
株式会社スリー・ディー・マトリックスは、9月15日、同社の界面活性剤様ペプチド技術について、トランスフェクション剤としての適用に関する特許が米国にて成立したと発表した。
トランスフェクション剤は、細胞への核酸導入剤を指す。同特許は、同社が学校法人日本医科大学と共同で出願していたもの。腫瘍への治療効果がより高いトランスフェクション剤の開発を目指すという。
細胞毒性が低く、遺伝子発現の制御効率が良い
現在、細胞への核酸導入に関する研究では、カチオン性ポリマーやカチオン性リポソーム等のカチオン性のトランスフェクション剤が広く利用されている。しかしこれらのトランスフェクション剤は、細胞に対する毒性を持つことが課題だった。
細胞毒性が低く、なおかつ遺伝子発現の制御効率が良く、また腫瘍へのより高い治療効果が期待されるトランスフェクション剤は、現在も多くの研究が進められている。
今回成立した特許に示されている界面活性剤様ペプチドのトランスフェクション剤としての適用は、細胞毒性が低い。そのため、脳腫瘍を含む種々のがん治療における臨床使用が可能な核酸導入方法の一つとされている。
医師主導治験も開始
日本医科大学では、脳神経外科学の吉田大蔵准教授が界面活性剤様ペプチド技術の脳腫瘍への治療応用に関して、研究成果を論文や学会で発表。スリー・ディー・マトリックスは、国立がん研究センターと共同で当該技術を応用した核酸製剤を開発し、治療抵抗性の乳がんに対する医師主導治験も開始している。

「トランスフェクション剤(核酸導入剤)」に関する米国での特許取得のお知らせ - 株式会社スリー・ディー・マトリックス
http://www.3d-matrix.co.jp/dl_file/2015