MT-4666 国際共同第3相試験
2015年9月15日、田辺三菱製薬株式会社(以下、田辺三菱製薬)はフォーラムファーマシューティカルズ社と共同で実施していた、アルツハイマー型認知症患者を対象とした、MT-4666(EVP-6124、国際一般名:encenicline)の日本における国際共同第3相試験の中止を発表した。
MT-4666は新規α7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト作用を有する化合物で、新規アルツハイマー型認知症の患者に有用な治療薬として期待されていた。2009年3月にエンヴィヴォ社(現:フォーラムファーマシューティカルズ社)より独占的研究・開発・販売及び製造権(日本を含むアジア地域)を取得した。
国際共同第3相試験は、米国、欧州、日本及びその他の地域で、これまでにアセチルコリンエステラーゼ阻害薬などの治療を受けていた、または現在も治療を受けている約1600名の軽度~中等度のアルツハイマー型認知症の患者を対象にプラセボ対照、無作為化二重盲検試験を実施し、安全性と有効性を評価してきた。
重篤な消化器系副作用
2014年夏から、田辺三菱製薬が主導する国際共同第3相試験へ参画し、日本において臨床試験を進めてきた。しかし、フォーラムファーマシューティカルズ社によって、国際共同第3相試験で重篤な消化器系副作用が少数例報告されたことにより、FDAから実施保留命令の連絡を受けた。
これにより、MT-4666のベネフィットとリスクのバランスを考慮し、日本地域における国際共同第3相試験及び国内長期投与試験(田辺三菱製薬単独実施)を中止した。なお、単独で実施している国内第2相試験については、すべての患者において投薬が完了している。

田辺三菱製薬 ニュースリリース
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