平成26年12月に委託契約を締結
テラ株式会社は、9月7日、同社が提供した樹状細胞ワクチン療法の技術・ノウハウを用いる形で、公立大学法人福島県立医科大学が治療を開始したと発表した。
同社と福島県立医大は平成26年12月に委託契約を締結し、技術・ノウハウの提供は開始されていた。今回開始された治療は、胃がん・食道がん・肺がんを対象とする先進医療。
リンパ球に攻撃指令を与える樹状細胞
樹状細胞ワクチン療法は、本来は血液中に数少ない樹状細胞を体外で大量に培養し、体内に戻すというもの。
樹状細胞は、体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対し、司令塔のように攻撃指令を与える作用を持つ。この細胞を、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質の特徴を認識させる形で培養。体内に戻された樹状細胞は、リンパ球にがんの特徴を伝達し、リンパ球はがん細胞のみを狙って攻撃する。
「先端がん免疫治療学講座」も開設
福島県立医大は、県民の保健・医療・福祉に貢献する医療人の教育及び育成を目的として設立された大学。テラとの委託契約締結に先んじて、平成26年11月にはがん免疫療法の研究を目的としたテラによる寄付講座「先端がん免疫治療学講座」も開設されている。
テラは今後も、樹状細胞ワクチン療法の技術・ノウハウの提供を拡大することで、より多くのがん患者に貢献するとしている。

樹状細胞ワクチン療法の技術・ノウハウを提供し公立大学法人 福島県立医科大学にて治療提供開始 - テラ株式会社
http://www.tella.jp/company/release/2015/09/982/