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2025年05月19日(月)
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髄鞘再生に関わる分子機構解明

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髄鞘再生に関わる分子機構解明

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神経回路の絶縁シートが回復
2015年9月3日、基礎生物学研究所統合神経生物学研究部門・野田昌晴教授の研究グループは、脳神経回路の髄鞘損傷からの再生を促す仕組みを発見したと発表した。

神経
背景
神経細胞から伸びる軸索は、髄鞘と呼ばれる絶縁シートに覆われることで、跳躍伝導と呼ばれる非常に速い神経伝達が可能となる。

脱髄疾患では、この髄鞘の構造と機能が大きく失われることで、四肢の麻痺や失明などの症状が引き起こされる。最も有名な脱髄疾患である多発性硬化症は厚生労働省の指定難病の1つであり、その治療法の確立が待ち望まれてきた。

脱髄疾患に対する既存治療の主体は、髄鞘の破壊が進行しないように食い止めることだが、脱髄の生じた部位が修復されなければ、症状の改善は見込めない。そのため、修復を効果的に促すような、再ミエリン化誘導薬の開発が注目されている。

研究結果と展望
今回、髄鞘を形成するオリゴデンドロサイト(希突起膠細胞)という細胞を選択的に傷害するクプリゾンという物質をマウスに与えた後、その回復過程を調べたところ、脱髄によって傷ついた神経軸索からはpleiotrophinというタンパク質が分泌されていることがわかった。

さらにpleiotrophinは髄鞘になるオリゴデンドロサイトの前駆細胞上に存在する、受容体分子PTPRZの機能を抑制することで細胞の分化を促し、髄鞘の回復に寄与していることが明らかになった。

今回の研究により、多発性硬化症などの脱髄疾患において再ミエリン化を積極的に促すような薬剤として、PTPRZの働きを止める化合物の有望性が示された。研究グループでは、このコンセプトに基づいて創薬探索研究を開始している。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

基礎生物学研究所 プレスリリース
http://www.nibb.ac.jp/press/2015/09/03.html


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