AURA第I相ファーストライン治療群と2本のAURA第II相試験の結果
2015年9月8日、アストラゼネカは、同社が開発中である選択性の高い不可逆的阻害剤「AZD9291」が、進行非小細胞肺がんのファーストライン 治療の患者、過去に治療歴を有する患者を対象とした臨床試験において新たなエビデンスを示したことを明らかにした。
それによると、ファーストライン治療薬として同剤を1日1回投与された患者60名のうち、72%が12カ月後においても増悪が認められなかったという。また全奏効率(ORR)は75%となっており、現時点の最長奏効期間18カ月はさらに延長していることも分かった。
現在、各規制当局に承認申請中
「AZD9291」は野生型EGFRには作用せず、EGFR活性化変異と耐性遺伝子変異であるT790Mの双方を阻害する薬剤だ。また、高血糖が患者にとって要治療となる可能性があることから、インスリン受容体、インスリン様成長因子受容体として知られる2つの生物学的受容体に対し、その活性を最小あるいはゼロに抑えるよう設計されている。
同剤は現在、同社により「EGFR T790M耐性変異陽性NSCLC治療薬」として、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁 (EMA) など、各規制当局に承認申請中となっている。
FDAからは既に画期的治療薬指定、希少疾病治療薬・ファストトラックステータス、優先審査が付与されてきた。また、EMAからは迅速審査ステータスも得ている。

アストラゼネカ プレスリリース
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