患者のQOLが低下する過活動膀胱
杏林製薬株式会社は、2015年8月31日、同社が創製した過活動膀胱治療剤「イミダフェナシン」の台湾におけるライセンス契約を、台湾のSynmosa Biopharma Corporation(以下、Synmosa社)と締結したことを発表した。
過活動膀胱(Overactive Bladder)は、尿意切迫感や頻尿、夜間頻尿などを症状とする蓄尿障害とされる症状症候群である。切迫性尿失禁を伴うケースもあり、トイレの不安から活動が制限されるなど、患者のQOLを低下させる問題がある。ムスカリン受容体に拮抗作用をもつ抗コリン剤が治療に用いられている。
イミダフェナシンを海外で展開
このたびのライセンス契約の締結は、同社がSynmosa社に台湾でのイミダフェナシンの独占的開発権や製造権、販売権を供与するものである。
同社は、日本国内の過活動膀胱の患者に対し同剤がQOL向上に貢献すると同時に、台湾においても普及することを期待している。今後、同社は海外への事業展開を推進する方針である。
イミダフェナシンは、過活動膀胱の症状である尿意切迫感や頻尿、切迫性尿失禁に効果が新規のコリン剤。ムスカリン受容体サブタイプのM3、M1に選択的な拮抗作用を示す。膀胱に集中的に作用し、口の渇きが少ないという特徴をもつ。
国内では同社と小野薬品工業株式会社がそれぞれ、「ウリトス錠」、「ステーブラ錠」として販売している。

キョーリン製薬ホールディングス株式会社 プレスリリース
http://www.kyorin-pharm.co.jp/