iPS細胞作製キットCytoTune-iPS
株式会社IDファーマは、英国のNewcells Biotech Limited社(以下、ニューセルズ)に、同社が所有するCytoTune-iPSの供給・販売などを行うことを許諾する技術実施許諾契約を締結したことを2015年8月21日に発表した。
CytoTune-iPSは、京都大学・山中伸弥教授のiPS細胞作製技術にIDファーマのセンダイウイルスベクター技術を融合したiPS細胞作製キットで、線維芽細胞などの体細胞から、特に苦痛のない末梢血・血液細胞からiPS細胞を効率よく誘導する方法である。
同キットで作製したiPS細胞は、誘導に使用したベクターが残らず、元の細胞の遺伝子配列をそのまま維持できる点でも評価が高い。
同社は研究用のCytoTune-iPSを国内外向けに販売して、iPS細胞由来分化細胞の実施許諾件数を増やしている。将来的には、医療用にも範囲を拡大する考えである。
欧州の研究を加速
ニューセルズは2014年にニューキャッスル大学から生まれた会社で、iPS細胞とその分化細胞の製造エキスパートである。高品質の細胞を創薬や前臨床試験、疾患メカニズム解析の分野に提供している。
英国で最初にiPS細胞を作製したメンバーなどを含むニューセルズの開発チームは、欧州におけるリプログラミング分野で中核を担っている。今後2年間半で1,500種のiPS細胞株を作製する予定。
今回の契約締結により、CytoTune-iPS技術が英国や欧州の基礎研究や再生医療の開発に貢献すると期待される。

株式会社アイロムグループ プレスリリース
http://www.irom-hd.co.jp/up_pdf/20150821084640_f.pdf