米国での特許査定
ラクオリア創薬株式会社は、同社が創出した選択的ナトリウムチャネル遮断薬が米国における特許査定を受けたことを、平成27年8月18日に発表した。
今回、特許権の価値があると判断されたのは、同遮断薬の物質特許であるアリールアミド誘導体とピロロピリジノン誘導体。アリールアミド誘導体については、日本、韓国での特許が成立しているが、米国では審査中だった。今回の特許査定の結果、同社の知的財産権が強化されたことになる。
ナトリウムチャネル遮断薬
同社は選択的イオンチャネル遮断薬の創製に力を入れており、今回の選択的ナトリウムチャネル遮断薬をこれまでのイオンチャネル活性評価と疼痛領域での知見による成果ととらえている。
イオンチャネルの一種であるナトリウムチャネルは、興奮性細胞(筋肉細胞や神経細胞など)の細胞膜の表面に発現しやすい。細胞内外の電位が変化するとナトリウムチャネルが開口し、ナトリウムイオンを選択的に細胞内へ透過させる。開口により発生する活動電位は、知覚神経において痛みを伝達する。
9種類のナトリウムチャネルは、ふぐ毒のテトロドトキシン(TTX)に対する感受性で2つに分けられる。チャネルの遮断薬が痛みに効果があるとされるテトロドトキシン感受性(TTX-S)と、心臓で重要な働きをするテトロドトキシン抵抗性(TTX-R)である。
同社によるナトリウムチャネル遮断薬はTTX-Sナトリウムチャネルに特異的に作用し、モデル動物の疼痛への有効性を実証している。
今回、評価された化合物はTTX-Rナトリウムチャネルに良好な選択性を示すため、各種の疼痛状態への効果が期待でき、副作用の少ない画期的新薬として医療ニーズに貢献するものである。

ラクオリア創薬株式会社 プレスリリース
http://www.raqualia.co.jp/