がんの中でも稀な多発性骨髄腫
武田薬品工業株式会社は、7月27日、新規経口プロテアソーム阻害薬「イキサゾミブ」について、欧州医薬品庁の欧州医薬品評価委員会より迅速審査の指定を受けたと発表した。
同指定は、再発・難治性の多発性骨髄腫の効能におけるもの。多発性骨髄腫は、がんの中でも稀な疾患。
多くの骨に影響を与える
多発性骨髄腫では、形質細胞すなわち骨髄腫細胞の一群ががん化して増殖、通常よりも形質細胞の数が増加する。形質細胞は体内を広く循環するため、多くの骨に影響を与えることになる。圧迫骨折や溶解性骨病変などに繋がり、重大な健康障害を引き起こす可能性がある。
「イキサゾミブ」は、多発性骨髄腫や全身性ALアミロイドーシスなどの悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬。臨床第3相試験を開始した最初の経口プロテアソーム阻害薬であり、米国および欧州で2011年、多発性骨髄腫についてオーファン指定を受けている。
革新性を有する医薬品が対象となる迅速審査
迅速審査指定は、公衆衛生に大きく貢献できると判断された医薬品、特に革新性を有すると判断された医薬品が対象となる制度。
武田薬品は同剤について、長期的な転帰の評価を行う臨床第3相試験を実施。その中間解析データに基づき、欧州において販売許可申請を数週間のうちに行うとしている。

イキサゾミブの再発・難治性の多発性骨髄腫に対する欧州医薬品庁による迅速審査の指定について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2015/20150727