JCRファーマとフィージビリティー試験契約を締結
2015年7月21日、エーザイ株式会社は、血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)通過技術による中枢神経疾患領域を中心とした革新的な治療薬の創製を目指し、同技術を保持するJCRファーマ株式会社とフィージビリティー試験契約を締結したことを明らかにした。
JCRファーマが保有するBBB通過技術「J-Brain Cargo」は、目的とする物質の血液脳関門通過を、脳毛細血管の内皮細胞表面に発現している、あるレセプターを介して実現するというもの。対象となる高分子から低分子までの薬剤に対し、血液脳関門通過能を付与できる画期的な技術だ。
今回の契約により、エーザイが選択する特定の医薬品候補物質と「J-Brain Cargo」とを利用して両社は新しい治療薬の創製に取り組む。
脳の恒常性維持に不可欠だが、薬剤の投与を阻害する血液脳関門
「J-Brain Cargo」が対象としている血液脳関門は、さまざまな有害物質が脳組織を障がいするのを防ぐために、血液から脳内への物質の移行を制限する器官である。
その働きは脳の恒常性維持に不可欠であるものの、神経活動のエネルギー源となるアミノ酸やブドウ糖などの必要な物質以外は通過できない。この働きは脳毛細血管内皮細胞にある、レセプターやトランスポーターと呼ばれる輸送機構により行われていることが分かっており、「J-Brain Cargo」はこれを利用している。

JCRファーマ株式会社 エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201550.html