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2025年05月20日(火)
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重合化するタンパク質に作用する化合物 新たな評価方法の開発に成功

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重合化するタンパク質に作用する化合物 新たな評価方法の開発に成功

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耐性菌に対抗
2015年7月9日、北海道大学先端生命科学研究院・金城政孝教授、三國新太郎特任助教らの研究グループは、重合化するタンパク質に作用する化合物の、新たな評価方法の開発に成功したことを発表した。

抗菌薬は感染症の原因となる細菌の増殖を抑える薬、抗菌薬の普及により「耐性菌」が生まれることとなった。近年、「多剤耐性菌」の一種であり、院内感染拡大の原因となっている黄色ブドウ球菌の多剤耐性菌(MRSA)等も生まれている。

耐性菌
今回の研究では、今までの抗菌薬の作用とは異なる分子機構で細菌の増殖を抑える化合物を見つけ出すため、細菌の増殖に必須なタンパク質の重合を阻害する化合物の発見を目的とした。

そこで、GTP依存的に重合体を形成することによって、他のタンパク質と協働して細胞分裂時に収縮環を形成する、FtsZタンパク質に着目した。

研究成果
細菌の細胞分裂にはFtsZタンパク質が活性化し重合することが必要である。研究グループはFtsZタンパク質の重合阻害化合物を見つけるため、コンピューターシミュレーションによるバーチャルスクリーニングと蛍光相互相関分光法(FCCS)を用いた化合物スクリーニング法を確立した。

確立されたスクリーニング方法を用い、約21万種類の化合物ライブラリーからFtsZタンパク質の重合阻害化合物の候補を71種類まで絞り込んだ。その中で特にタンパク質の活性阻害を示す6種類の化合物を調べたところ、実際に1種類の化合物が黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性を持つことが確認された。

今後への期待
今回見つかった化合物は新しい抗菌薬の「種」でしかなく、用いるにはさらなる研究開発が必要だが、多剤耐性菌に対して有効な化合物であると期待される。

また、これまで定量的なスクリーニングが難しかった「多量体を形成するタンパク質」に対して応用可能であるため、神経細胞内で発生するタンパク質の多量体が原因で生じるアルツハイマー病やALSなど、神経変性疾患の治療薬の発見にも役立つと期待される。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

北海道大学 プレスリリース
<a href=" http://www.hokudai.ac.jp/news/150709_dimerizationinhibitors_pr.pdf" target="_blank"> http://www.hokudai.ac.jp/news/150709_dimerization </a>


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