医薬品の不純物検査に効果
島津製作所は、エネルギー分散型蛍光X線分析装置のフラッグシップモデル「EDX-7000」と「EDX-8000」が米国食品医薬品局(FDA)が定める電子記録・電子署名規定「FDA 21CFR Part 11」に2015年7月6日から対応したことを明らかにした。
エネルギー分散型蛍光X線分析装置とは、X線を照射されたサンプルが発する蛍光X線のエネルギーを検出・解析して、サンプルの元素の種類、濃度を分析する装置である。サンプルを破壊せずに迅速、簡便な分析ができるため、多分野での品質管理、材料解析に活用されている。
近年、医薬品の不純物検査においても蛍光X線分析の有用性が評価されるようになり、同社は今後の製薬業界での市場拡大に備え、このたびの措置を行った。
「FDA 21CFR Part 11」は電子記録・電子署名が紙による記録や署名と同等であることを認める規定で、米国でビジネスを行う製薬企業や食品企業、これらの企業に製品、原料を供給する企業、これらの企業から分析を委託されるラボに適用される。
分析が手軽に行える
同社は、汎用性、分析性能に優れたEDXシリーズの「EDX-7000」、「EDX-8000」の2機種を製薬業界で本格的に販売する計画を立てている。
蛍光X線分析装置は、医薬品の有効成分内の残留金属触媒や有害金属、不純物金属などの医薬品残留物を前処理なしに測定する。
さらに、粉体・固体・液体のいずれのサンプルでも専用容器に納めて装置にセットするだけで分析できる点、医薬品の製造工程のどの段階にも導入しやすい点など、化学分析方法に比べて手軽に行える利点がある。
(画像はプレスリリースより)

島津製作所 プレスリリース
http://www.shimadzu.co.jp/news/press/n00kbc0000007l1h.html