ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載
大塚製薬は、デラマニドの有効性を評価した臨床試験(フェーズ2b)後のサブセット解析で、超多剤耐性結核(XDR-TB)の治療に対するデータがニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌(Letter to the Editor)に掲載されたと発表した。
デラマニド
デラマニドは、大塚製薬が独自に創製した多剤耐性結核をはじめとする結核菌を特異的に殺菌する新規薬効群(ニトロ-ジヒドロ-イミダゾオキサゾール)に分類される初の化合物。欧州、日本、韓国では既に承認を取得しており、現在小児の多剤耐性結核の適応に向けて開発中だ。
フェーズ2b試験概要
デラマニドのフェーズ2b試験では、多剤体位性結核患者を対象にランダムにプラセボと同剤を投与。
その結果、WHOの標準治療に「デラマニド」を上乗せしたグループでは、2カ月後の結核菌陰性化率が標準治療にプラセボを上乗せしたグループと比較して高かった。また、6カ月間上乗せした群では2カ月間のみ上乗せしたグループと比較して死亡率の低下が確認されている。
また、有害事象に関しては、心電図QT延長については、若干デラマニドを投与した患者に多く発現されたが、その他の有害減少に関しては、同等であった。
このデータから、WHO(世界保健機関)が推奨する多剤耐性結核の標準治療に上乗せしてデラマニドを服用することで、治療が複雑で根治が難しい超多剤耐性結核に有望であるとしている。
多剤耐性結核
WHOによると、結核は単一の感染性病原体として、世界で2番目に多い死亡原因である。
その中でも結核治療の第一選択薬であるイソニアジドとリファンピシンや第二選択薬であるフルオロキノロンと注射剤にも耐性を示す結核菌である多剤耐性結核に対する現在の治療レジメンでは、複数の薬剤を少なくとも2年間、更なる薬剤耐性がある場合はより長期間服用する必要があり、治療が複雑で根治が困難とされている。

大塚製薬 ニュースリリース
http://www.otsuka.co.jp/company/release/detail.php?id=2999