ブリストル・マイヤーズが根治切除不能な悪性黒色腫の適応で取得
ブリストル・マイヤーズ株式会社は、ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体「ヤーボイ(R)点滴静注液50mg、以下、ヤーボイ」について、適応を根治切除不能な悪性黒色腫とした、製造販売承認を取得したことを発表した。
ヤーボイ
ヤーボイは世界初の免疫チェックポイント阻害薬。また、同剤は、根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象とした海外第3相試験において、BRAF変異の有無にかかわらず、対照群と比較して統計学的に有意な全生存期間の延長を示した世界で初めての薬剤でもある。
2011年3月、米国において切除不能又は転移性悪性黒色腫の適応で承認されてから、欧州、オーストラリア、カナダを含めこれまでに世界50ヵ国以上において承認されている。さらに、多くの国で抗がん剤の治療歴にかかわらず、根治切除不能な悪性黒色腫に対する標準治療としても用いられている。
ヤーボイは、T細胞の活性化を抑制する調節因子である細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)の働きを阻害することで、活性化T細胞における抑制的調節を遮断する。その結果、腫瘍抗原特異的なT細胞の活性化し増殖が促進されるため、腫瘍増殖を抑制する作用を持つ。
また、制御性T細胞(Treg)の機能低下及び腫瘍組織におけるTreg数の減少により腫瘍免疫反応を亢進させ、抗腫瘍効果を示すと考えられている。
条件付きの承認
なお、ヤーボイには承認に際し、医薬品リスク管理計画を策定し適切に実施することと、製造販売後は、一定数の症例に関するデータが集積されるまで全ての症例について使用成績調査を実施することの2点の条件が付せられている。これは、同剤の国内における治験症例が極めて限定されていることによるものだ。

ブリストル・マイヤーズ株式会社 ニュースリリース
http://www.bms.co.jp/press/20150703.html