主要な抗酸菌2種を特定
東洋紡株式会社は、結核の2種の病原因子を個別に検出できる試薬「ジーンキューブMAI」を開発し、2015年7月に発売する。
結核の病原因子には結核菌と非結核性抗酸菌がある。同社はこれらを全自動遺伝子解析装置「GENECUBE」を用いて検出する試薬「ジーンキューブMTB」、「ジーンキューブMAC」を2010年から販売している。
非結核性抗酸菌には多数の菌種が含まれているが、臨床で検出される約80%は、マイコバクテリウム アビウム(以下、アビウム)と、マイコバクテリウム イントラセルラー(以下、イントラセルラー)。この2種の抗酸菌は治療薬が異なるため、個別に特定することが求められていた。
正確で短時間に検出
今回、同社が開発した検出試薬「ジーンキューブMAI」は、「ジーンキューブ専用前処理セット(別売り)」と組み合わせて、遺伝子検査(反応試薬の調整、核酸抽出、増幅部への検体移し替え)を全自動で測定する。
アビウムとイントラセルラー以外の抗酸菌40種類以上を陽性と誤判定することはない。アビウムとイントラセルラーについては一致率97.9%以上の正確さで個別に判定できる。検査時間は1時間以内で、これは従来の検出法と比べても最短となる。
同社は、全自動遺伝子解析装置「GENECUBE」を海外でも販売する計画だ。また、同装置で使用する試薬により検査が可能な疾患として、今後、結核以外にも、感染症などを中心に増やしていく予定である。
(画像はプレスリリースより)

東洋紡株式会社 プレスリリース
http://www.toyobo.co.jp/news/2015/release_5749.html