琉球大学内に建設
ロート製薬株式会社は、琉球大学内に再生医療研究センターを建設し、寄贈した。
同センターは、琉球大学医学部内に設置され、1階の細胞培養加工施設を拠点とし、高い無菌状態で医薬品に義務づけられている製造・品質管理の基準に沿った再生医療用の細胞が調製可能となっている。
センター長には、再生医学講座の野口教授が就任する。また、それに伴い6月28日に琉球大学にてオープニングセレモニーを行った。
同センターで脂肪幹細胞を用いた基礎研究並びに臨床研究を進めていく。最終的には、無血清・アニマルフリー培地技術を活かし、脂肪組織を使用した分化能や優れた効果を持つ沖縄特有の脂肪幹細胞を見出し、細胞の特性解析、種々薬理薬効評価をベースとした、各種疾患に対する治療薬開発を行うことを目的としている。
建設の背景
近年、ヒトES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)、あるいはヒト成体組織から採取可能な間葉系幹細胞などを用いた新しい治療方法として再生医療が注目されている。
また、再生医療研究は、これまで根治させることが難しかった、重症心不全や脊椎損傷、肝硬変などの難治性疾患治療に対して有用であるという報告もあり、世界中で再生医療の可能性に対し期待されている。そのなかでも、体性幹細胞はヒトでの臨床評価の事例が多く、さらに安全性も高いことからとりわけ注目が高まっている。
このような状況で、同社は体性幹細胞の活性化や外部因子の研究により、体性幹細胞は「病気の治療だけでなく、将来的には予防医療にも繋がるのではないか」と考え、体性幹細胞の実用化を促進する「再生医療研究企画部」を2013年に設立していた。
(画像はプレスリリースより)

ロート製薬株式会社 プレスリリース
http://www.rohto.co.jp/news/release/2015/0626_01/