宿主細胞由来DNA検出試薬
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は、宿主細胞由来DNA検出試薬「Residual DNA CHO kit(CHO細胞由来残留DNAキット)」を2015年7月1日に発売した。
このキットは、ワクチンやバイオ医薬品の製造時に宿主細胞として使用されるCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞のDNAを検出する試薬である。
ワクチンなどを大量生産するため、ウイルスや薬となるたんぱく質の遺伝子を宿主となる動物細胞に導入した後、その動物細胞を増殖させている。この方法の場合、宿主の動物細胞のDNAが不純物として残留し、宿主細胞由来のがん遺伝子などが伝播する可能性がある。
WHO(世界保健機構)は、このようなリスクがあることから、残留DNA量は1投与に10ng(1ナノグラムは10億分の1グラム)以下と規定している。
製造プロセスを効率化
「Residual DNA CHO kit」は、CHO細胞由来のDNAをリアルタイムPCR法により測定する。CHO細胞由来以外のDNAには反応しない特異性の高さをもつ。
検出可能なDNAは0.4pg(1ピコグラムは1兆分の1グラム)/ml以上。正確で高感度な測定をわずか5時間で行い、製造時の品質管理を効率化する。
使用機器にはライトサイクラー480システムIIが推奨されているが、ライフテクノロジーズ社Applied Biosystems QuantStudio 6 Flex Real-Time PCR Systemでも対応可能となっている。
(画像はプレスリリースより)

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース
http://www.roche-diagnostics.jp/news/15/06/30.html