日本では「ロンサーフ」として発売
大鵬薬品工業株式会社は、4月1日、経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤「TAS-102」について、アジアにおける臨床第3相試験の速報結果が得られたと発表した。
日本において同剤は、「ロンサーフ配合錠T15・T20」の製品名で「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を適応症として販売されている。
経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤
「TAS-102」は、トリフルリジンとチピラシル塩酸塩を配合した、経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤。
トリフルリジンは、DNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こすことで抗腫瘍効果を発揮すると推測されている。チピラシル塩酸塩は、トリフルリジンの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持する作用を持つ。
同剤は既に、日本では大鵬薬品が、米国では大鵬薬品の米国子会社である大鵬オンコロジー社が、それぞれ販売している。
全生存期間において有意に延長
同剤のアジアにおける臨床第3相試験は、中国・韓国・タイにて実施された。対象は、化学療法に不応となった、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者。
同試験の速報では、主要評価項目である全生存期間において有意に延長する結果が得られたという。忍容性は概ね良好であり、報告された副作用は過去の試験と同様としている。

TAS-102 結腸・直腸がん患者を対象とするアジア臨床第3相試験で全生存期間を有意に延長 - 大鵬薬品工業株式会社
http://www.taiho.co.jp/corporation/news/2016/