「顧みられない熱帯病」の抗寄生原虫創薬
アステラス製薬株式会社は、4月1日、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」)との間で、新たな共同研究契約を締結したと発表した。
この共同研究契約は、「顧みられない熱帯病」すなわちNeglected Tropical Diseases(以下「NTDs」)の、抗寄生原虫創薬についてのもの。
対象をシャーガス病に絞る
アステラス製薬は、NTDsの中でもとりわけ新薬が求められているトリパノソーマ科寄生原虫症(リーシュマニア症、シャーガス病、アフリカ睡眠病)に関して、新規治療薬の創出を目指してきた。
今回同社が産総研と新たに締結した共同研究契約では、対象をシャーガス病に絞った新規治療薬の創出研究を行う。シャーガス病は、NTDsの中でも羅患数が多く、十分な治療薬も存在しない。新規治療薬の開発が、強く求められている。
「ゲノム編集技術」を活用
共同研究では、シャーガス病の原因となる寄生原虫クルーズトリパノソーマに対する「ゲノム編集技術」や、「ハイスループットクルーズトリパノソーマ活動度アッセイ技術」などを活用。クルーズトリパノソーマの生存に必須な遺伝子を短期間で正確に見出せるかを検証する。
同研究において、アステラス製薬は主に検証に相応しい遺伝子を選択し、産総研はゲノム編集を担当する。

「顧みられない熱帯病」の抗寄生原虫創薬に関する産総研との新たな共同研究契約締結 - アステラス製薬株式会社
https://www.astellas.com/jp/corporate/news/