骨髄異形成症候群の第III相試験
シンバイオ製薬株式会社(以下、シンバイオ)は、2016年3月10日、抗がん剤rigosertib(以下、リゴサチブ)の導入元のOnconova Therapeutics, Inc.(以下、オンコノバ社)が欧米で行っている国際共同第III相試験(ONTIME)の結果を論文掲載したと発表した。
オンコノバ社は、高リスク骨髄異形成症候群(MDS)を対象にリゴサチブ注射剤を用いた国際共同第III相試験の試験結果をLancet Oncology誌オンライン版に公開した。
骨髄異形成症候群は、造血幹細胞の異常で発症した造血障害から血球減少となる予後不良の難治性疾患で、急性骨髄性白血病に移行するリスクが高い。
対処法として主に輸血が行われているが、効果的な治療方法の開発が求められている。日本には推定11,000人のMDS患者がいる。
新たな国際共同第III相試験を実施中
シンバイオは、米国ペンシルベニア州とニュージャージー州に拠点をもちバイオ医薬品を創薬するオンコノバ社に、2011年7月にリゴサチブを導入した。現在、同社が全世界におけるリゴサチブの開発・販売権を保有し、シンバイオは日本と韓国における権利を保有している。
オンコノバ社は新たな国際共同第III相試験(INSPIRE)に着手しており、低メチル化剤の治療効果が見られない、または治療後に再発した高リスク骨髄異形成症候群を対象に行っている。シンバイオは日本でのINSPIREの開発を進める形で、同試験に参画している。

シンバイオ製薬株式会社 プレスリリース
http://www.symbiopharma.com/news/20160310_02.pdf