痛みを和らげる神経系を活発化
塩野義製薬株式会社と日本イーライリリー株式会社は、2016年3月18日に厚生労働省からセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤「サインバルタ カプセル 20mg・30mg」が慢性腰痛症に伴う疼痛で適応追加の承認を取得したと発表した。
同剤は、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込み阻害作用により痛みを和らげる下行性疼痛抑制系を活発化させ、慢性腰痛症に伴う疼痛に対して鎮痛効果を発揮するとされている。両社は、同剤が慢性腰痛症に伴う疼痛を治療する新たな選択肢となることを期待している。
サインバルタの有効性と効能
サインバルタは国内における第III相プラセボ対照試験で有意な鎮痛効果が確認され、第III相継続長期投与試験では、50週にわたる継続的な鎮痛効果を示している。
プラセボ対照試験での副作用は48.3%に現れ、傾眠、便秘、悪心が主だった。長期投与試験では、傾眠、悪心、便秘、口渇などが50.3%に発現し、1例のみ閉塞隅角緑内障が確認された。
同剤はうつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害・線維筋痛症・慢性腰痛症に伴う疼痛に効果があり、1日1回朝食後に経口投与する。用量は疾患が伴う疼痛により異なる。

塩野義製薬株式会社 プレスリリース
http://www.shionogi.co.jp/