かゆみとかきむしりの悪循環を遮断
中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、2016年3月5日、米国皮膚科学会のLate-breaking Research Forumsにおいて、Nemolizumab(CIM331)の第II相国際共同治験の成績を発表した。
Nemolizumabは、中外製薬がアトピー性皮膚炎を対象に開発中のインターロイキン-31レセプターA(IL-31RA)を標的とする抗IL-31レセプターA ヒト化モノクローナル抗体である。
そう痒誘発性サイトカインのIL-31がアトピー性皮膚炎と透析患者に発生するそう痒に関与するとされ、NemolizumabにはIL-31のレセプターとの結合を競合的に阻害し、生物学的作用を抑制する薬効がある。
中外製薬は、アトピー性皮膚炎のItch-scratch cycle(かゆみとかきむしりの悪循環)を遮断することで皮膚炎を改善するというコンセプトの下、CIM331を開発した。
共同治験の結果
第II相国際共同治験では、アトピー性皮膚炎の中等症から重症の264名の患者にCIM331とプラセボを皮下投与した。その結果、12週時にそう痒の程度を判定するそう痒VAS変化率により改善が見られ、CIM331の有効性と忍容性が確認されている。
今回、治験結果を発表したLate-breaking Research Forumsは最新の臨床・基礎研究が紹介され、未承認薬や未承認の適応について最新の試験結果が採択される場である。

中外製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/