抗悪性腫瘍剤「ゼローダ」
中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、経口フッ化ピリミジン(5-FU)系抗悪性腫瘍剤カペシタビン(販売名「ゼローダ錠300」、以下、ゼローダ)について、2016年3月2日、「直腸癌における補助化学療法」に対する効能・効果追加の公知申請を厚生労働省に行ったことを発表した。
直腸癌に対する効果と臨床試験
日本ロシュ株式会社(現、中外製薬)で創製されたゼローダは、国内で「手術不能又は再発乳癌」を効能・効果として2003年6月に製造販売開始、その後、「結腸癌における術後補助化学療法」、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」、「胃癌」に対する効能・効果を取得している。
2008年に行われた、海外で実施された大規模臨床試験において「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」に対する「ゼローダ」単剤療法により、奏効率は優れていた。また、同様の単剤療法で実施した国内第II相臨床試験において、日本人での有効性及び安全性は海外臨床試験と同等であった。
ゼローダ 公知申請までの経緯
「直腸癌における補助化学療法」に対する効能・効果について、海外では認可済みだが国内未承認の医薬品や適応に対して、必要性評価、公知申請の該当性、追加試験妥当性の確認を行う「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で、公知申請に当てはまると評価された。
さらに、「直腸癌における補助化学療法」に対する効能・効果の追加について、薬事・食品衛生審議会で、公知申請を行っても差し障りがないと判断されたため、今回の公知申請となった。

中外製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20160302