日本で発見された内在性ペプチド
中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、2016年3月3日、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)に関する軟骨無形成症用途特許の日本、米国等における独占的実施権をサブライセンスする契約を、米国のBioMarin Pharmaceutical Inc.(以下、BioMarin社)と締結したことを発表した。
中外製薬が独占的実施権を取得・保有していたCNPは日本で発見された内在性のペプチド。
軟骨の成長を低下させる線維芽細胞増殖因子受容体-3の作用を阻害する働きがあることから、同社は指定難病、軟骨無形成症の治療薬として開発に取り組んできたが、開発の遅れから、自社開発を中断することを決定した。
Vosoritideの迅速な製品化へ
BioMarin社が開発しているCNP誘導体のvosoritide(BMN-111)は、現在、軟骨無形成症児を対象に欧米と豪州で第II相臨床試験が行われている。
1日1回の皮下投与での安全性と有効性についての中間解析の結果は良好で、投与量を増加した試験が実施中、さらに、第III相臨床試験と5歳未満の幼児を対象とする試験が計画段階にある。
中外製薬は、軟骨無形成症の治療薬としてvosoritideの製品化を迅速化するため、BioMarin社との協議を経て、このたびのサブライセンスに至った。この契約で、BioMarin社が軟骨無形成症を治療対象とするvosoritideの製品化の権利を取得することになる。

中外製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/