がん研究用抗体
コスモ・バイオ株式会社は、2016年3月4日、がん研究用抗体「抗LATI-CD98抗体」の販売を開始することを発表した。
正常な細胞と比べて、がん細胞には栄養素を取り込む輸送体が多く存在するとされる。
輸送体の一つ、アミノ酸を取り込む働きをもつLATI(L型アミノ酸トランスポーター)はがん細胞に特異的に発現することから、がん細胞に対する分子標的薬のターゲットとして注目が高まっている。
このたび発売された「抗LATI-CD98抗体」は、LAT1-CD98複合体を特異的に認識するモノクローナル抗体である。
細胞や微生物、ラテックスビーズ等の0.3-40μmほどの粒子を光学的に測定し分離するセルソーターなどの実験機器とともに用いると、LATI-CD98複合体を発現したがん細胞の単離・濃縮が容易に実行できる。
がん治療薬の開発に寄与
同社は、2013年に発売したがん幹細胞研究用抗体「抗CD44v抗体」と共に、「抗LATI-CD98抗体」ががん治療薬を開発する製薬会社、基礎研究、臨床研究の現場で有力な研究ツールとなることを期待している。
同抗体は、Anti human LAT1-CD98 Monoclonal Antibodyの商品名で、国内と並行して世界各国で3月から販売される。

コスモ・バイオ株式会社 プレスリリース
http://www.cosmobio.co.jp/ir/press/20160304.asp