ペムブロリズマブの働き
MSD株式会社は、2016年2月29日、抗PD-1抗体「ペムブロリズマブ(遺伝子組み換え)」の切除不能な進行または再発の非小細胞肺がんに対する効能・効果の製造販売承認申請を行った。
肺がんは部位別がんで死亡率が最も高く、その内の約85%は非小細胞肺がんである。切除不能または転移性の場合、治療が困難とされており、治療薬の開発が待たれている。
ペムブロリズマブは免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1抗体)で、PD-1受容体リガンド相互作用を阻害することで抗腫瘍免疫応答をはじめとするPD-1経路を介する免疫応答の抑制を解除する。
KEYNOTE-010試験で、治療歴のあるPD-L1陽性の進行性非小細胞肺がん患者の全生存期間が化学療法より延長された。
国内外で承認、開発が進行中
現在、日本国内で膀胱がん、乳がん、胃がん、頭頸部がん、大腸がん、ホジキンリンパ腫を適応症とする臨床試験が進められている。2015年10月、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する効能・効果が、厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定された。
同社は、2015年12月22日、切除不能または転移性の悪性黒色腫に対する効能・効果について製造販売承認申請を行っている。
米国では、進行性悪性黒色腫、および非小細胞肺がんについて、米国食品医薬品局(FDA)の「画期的治療薬」指定を受けて迅速承認され、マイクロサテライト不安定性を高頻度に認める(MSI-H)転移性大腸がんについても指定された。
欧州でも進行性悪性黒色腫に対する承認を取得し、30種類以上のがん種に対する開発と臨床試験200以上が世界各国で進められている。

MSD株式会社 ニュースリリース
http://www.msd.co.jp/