新規経口プロテアソーム阻害薬
2016年2月26日、武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品工業)は、新規経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブクエン酸エステル(一般名、開発コード:MLN9708、以下、イキサゾミブ)について、再発又は難治性の多発性骨髄腫を予定する効能・効果として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けたことを発表した。
希少疾病用医薬品の指定制度は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことから十分な研究開発が進みにくい医薬品の開発を支援・促進する制度であり、今回の指定は、国内の患者に対する、イキサゾミブの必要性の高さと新たな治療選択肢としての可能性を示すものである。
多発性骨髄腫
多発性骨髄腫は、がんの中ではまれであり、新規に発症する患者数は全世界では年間11万4千人、日本における総患者数は約1万4千人と報告されている。
多発性骨髄腫は形質細胞のがんであり、骨髄が病巣となる。単クローン性の形質細胞のあるグループが悪性化して増殖し、悪性化した形質細胞には骨を脆くする作用があり、骨、免疫系、腎、赤血球数に影響を与え、骨痛、倦怠感、貧血などの典型的な症状を伴うことが多く、重大な健康障害を引き起こす可能性が存在する。
イキサゾミブの承認・販売
イキサゾミブは、多発性骨髄腫、全身性ALアミロイドーシスなどの悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬であり、国内において、多発性骨髄腫を対象に複数の臨床第III相試験を現在実施中。
米国では、前治療歴のある再発・難治性の多発性骨髄腫患者に対する治療薬としてFDAからの販売許可取得後、既にNINLAROの製品名で販売を開始している。欧州では、再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした販売許可申請が2015年8月に欧州医薬品庁(EMA)に受理、同年7月のEMAによる迅速審査指定にもとづき、審査中である。

武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2016/20160226_7321.html