抗癌剤との併用で治療効果が向上
オンコリスバイオファーマ株式会社は、 2月24日、同社が開発を進めている「OBP-301(テロメライシン)」と抗癌剤併用療法に関する欧州特許出願が、特許査定を受けたと発表した。
今回査定を受けた欧州特許は、「OBP-301」と抗癌剤との併用療法に関するもの。抗癌剤との併用により「OBP-301」の臨床での治療効果は、更に高められることが期待されるとしている。
制限増殖型の腫瘍溶解ウイルス
「OBP-301」は、ヒトアデノウイルス5型のE1領域にテロメラーゼプロモーターを組み込んだ、制限増殖型の腫瘍溶解ウイルス。同剤は、テロメラーゼ活性が上昇している癌細胞の中では特異的に増殖し、癌細胞を溶解させる。しかし、正常細胞中での増殖能力は極めて弱く、細胞毒性を示さないという特徴を持つ。
臨床では、主に腫瘍部位への局所注入による治療で同剤の癌特異性を発揮させ、更に癌特異的免疫作用を活性化することによって作用を増強させることが、期待されている。
開発促進および知的財産権強化
オンコリスバイオファーマは、標準治療が無効となった肝細胞癌患者を対象とする「OBP-301」の第1相・第2相試験を、台湾・韓国にて2014年11月より実施。また岡山大学では、食道癌患者を対象として同剤と放射線治療の併用療法について安全性と探索的有効性を評価する臨床研究を、2013年11月より実施している。
同社は今後も、高い医療現場ニーズを充足すべく、「OBP-301」の開発促進および知的財産権強化を図るとしている。

OBP-301と抗がん剤併用療法に関する欧州における特許査定発行のお知らせ - オンコリスバイオファーマ株式会社
http://v4.eir-parts.net/