再発リスクが高い患者のために
2016年2月19日、アストラゼネカ株式会社(以下、アストラゼネカ)は、EUにおいて、心筋梗塞発症後1年以上経過し、アテローム血栓性イベントの再発リスクが高い患者の治療薬として、チカグレロル(欧州での製品名:BRILIQUE)60mgが販売承認されたことを発表した。
今回の承認はEU加盟国28か国、アイスランド、ノルウェー及びリヒテンシュタインに適応される。
チカグレロル
チカグレロルは血小板活性を阻害する経口抗血小板薬であり、用量90mgはEUにおいて、急性冠症候群(ACS)成人患者におけるアテローム血栓性イベントの発症抑制を適応として承認済みである。
今回の承認により、発症後1年以上経過している心筋梗塞の既往歴を有する患者は、アスピリン1日維持用量75~150mgとチカグレロルの低用量60mgを1日2回投与する、併用療法の継続が可能となる。
チカグレロル60mgは、米国において2015年9月3日、心筋梗塞発症後1年以上経過した患者における使用を適応として、FDAによって承認されている。
PEGASUS TIMI-54試験
PEGASUS TIMI-54試験では、試験への組み入れ前1~3年間に心筋梗塞の既往歴がある患者を対象に、チカグレロルと低用量アスピリンとの併用を、プラセボと低用量アスピリンとの併用と比較し、心血管死、心筋梗塞及び脳梗塞の長期にわたる二次的な発症抑制効果を評価した。
その結果、チカグレロルはプラセボに比べて心血管死、心筋梗塞、脳梗塞からなる複合主要評価項目を有意に低減したことが示された。3年時の複合イベント発症率は、チカグレロル60mg群で7.77%、プラセボ群で9.04%だった。

アストラゼネカ株式会社 プレスリリース
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