先駆け審査制度対象品目に
塩野義製薬株式会社(以下、塩野義製薬)は、F. Hoffmann-La Roche Ltd.(以下、Roche社)と、自社で創製したインフルエンザ感染症治療薬S-033188の提携に関するライセンス契約を締結したことを2016年2月29日に発表した。
今後、塩野義製薬が進めているS-033188の開発は、日本と台湾以外の全世界でRoche社との提携下で行われることになる。
同薬は、2015年10月、厚生労働省からの先駆け審査制度対象品目の指定を受け、国内での第II相臨床試験が進行中である。早ければ、国内申請は2017年度内に実施されると見込まれている。
新機序で既存薬に勝る
同薬は新規の作用機序としてキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害の働きをもつ。これは、侵入したインフルエンザウイルスのmRNA合成を阻害することで、細胞内でのウイルスの増殖を抑制するというもの。
既存薬のノイラミニダーゼ阻害薬は、細胞内部で増殖したウイルスの細胞外への遊離を阻害する働きによりインフルエンザの増殖を抑制する。
S-033188は、単回治療でノイラミニダーゼ阻害薬より効果を示した。また、既存薬に耐性をもつウイルスに対しても効果を示すと考えられている。

塩野義製薬株式会社 プレスリリース
http://www.shionogi.co.jp/