JCRファーマとメディパルが共同で
JCRファーマ株式会社と株式会社メディパルホールディングスは、2月16日、間葉系幹細胞を用いた移植片対宿主病治療製品「テムセルHS注」の新発売と、両社が共同開発した超低温管理物流システムを活用して同製品を配送することを発表した。
急性移植片対宿主病の治療製品
「テムセルHS注」は、造血幹細胞移植後に発症する重篤な合併症である急性移植片対宿主病の治療製品。
造血幹細胞移植は、血液を造るもとになる細胞(造血幹細胞)を移植する治療法であり、白血病などの根治的な治療手段として実施されている。急性移植片対宿主病は、移植された造血幹細胞に含まれる免疫担当細胞が、患者の身体を異物とみなして攻撃する疾患。
同製品は、健康な成人より採取した骨髄液からヒト間葉系幹細胞を分離し、拡大培養したもの。通常の医薬品と同様に投与できるという利点があり、急性移植片対宿主病の治療における新たな選択肢となることが期待されている。製品として正式に販売されるのは、世界初だという。
緊急時でも安定した製品を届ける
「テムセルHS注」の配送にあたっては、メディパルとJCRファーマが2011年7月より共同で研究をすすめていた超低温管理物流システムが活用される。
同システムは、液体窒素を用い、マイナス150℃以下という極めて低い温度を10日間以上維持した配送・保管が可能とするもの。緊急時でも、安定した品質の製品を全国の医療現場に届けるとしている。

移植片対宿主病治療製品「テムセルHS注」の新発売および超低温管理物流システム稼働のお知らせ - JCRファーマ株式会社
http://www.jcrpharm.co.jp/news/20160216_4101