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2025年05月18日(日)
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がんに対するDDSの効率を高める 腫瘍血管透過経路 発見!

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がんに対するDDSの効率を高める 腫瘍血管透過経路 発見!

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「動的な隙間」から「噴出」する現象
2016年2月16日、東京大学医学部附属病院の松本有助教、山岨達也教授、東京大学大学院の片岡一則教授らの研究チームは、がん血管のところどころで、構造が未熟で透過性の高い「静的な穴(static pore)」より大きい「動的な隙間(dynamic vent)」が短時間だけ開き、そこから薬が血管の外へ勢いよく「噴出(dynamic vent)」する現象の発見を発表した。

がん
背景
腫瘍血管は脆弱で透過性が高いことが知られており、これまでのEPR効果の概念では、腫瘍血管には細胞間隙や細胞内小孔などの透過性の高い穴が存在し、これを介した高分子物質の血管外へ漏出するといわれている。

多くのDDS製剤はこのEPR効果を利用して抗腫瘍効果を発揮するのに対し、膵がんやスキルス胃がんなどの難治がんにおいては、難治がんに特徴的な厚い間質形成などにより、多くのDDS製剤は理想的な治療効果を得られないのが実情である。

研究成果
研究グループは、生きたマウスに腫瘍を生着させ、蛍光性の分子を結合させて標識した高分子ナノミセルの腫瘍内分布を観察することにより、薬がどのようにがん細胞に到達するのかを調べた。

その結果、腫瘍血管が不規則に開閉する「動的な隙間」と、そこから蛍光標識した高分子ナノミセルが血管外組織へ漏出する極めて動的な現象である「噴出」を発見した。また、「噴出」の発生頻度は腫瘍細胞からの距離と相関があること、噴出速度は腫瘍血管内外の圧力を駆動力とすること、噴出後の拡散は間質密度に左右されること、などが分かった。

今後の研究によって「噴出」のメカニズムを解明し、これを誘発あるいは抑制することができれば、難治性腫がんに対する新しい治療法の開発につながると期待される。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

東京大学 プレスリリース
<a href=" http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/release_20160216.pdf " target="_blank"> http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/release_20160216.pdf </a>


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