TTR1ナノアゴニスト発現ビフィズス菌
シンバイオ製薬株式会社は、2016年2月8日、TTR1ナノアゴニスト分子を用いた抗がん治療薬について帝京平成大学と共同研究開発契約を締結したことを発表した。
この薬剤は、帝京平成大学の研究グループが開発したナノアゴニスト分子(TTRIナノアゴニスト)にビフィズス菌を組み込んだTTR1ナノアゴニスト発現ビフィズス菌である。
TTR1ナノアゴニストはがん細胞やがん幹細胞の表面に高発現するTRAIL-R1を標的に抗がん作用を発揮する。腸内に存在するビフィズス菌は酸素のない環境を好む。一方、すい臓がん、悪性胸膜中皮腫などの固形がんは酸素の少ない環境にある。
そのため、TTR1ナノアゴニスト発現ビフィズス菌を静脈注射するとビフィズス菌が低酸素状態のがん組織に選択的に増殖し、がん細胞を死滅させる。すでに、動物モデルでは有効性と安全性が確認されている。
独占的ライセンスの権利
今回の契約で同社は帝京平成大学と同薬剤の開発を共同で進めると同時に、全世界での開発・製造・商業化のライセンスを独占的に取得する権利も取得したことになる。
まずは、臨床試験に向けた前臨床試験に着手する。同社には抗がん剤承認を早期取得した実績があり、今後、その経験を生かしながら開発に取り組んでいく。
(画像はプレスリリースより)

シンバイオ製薬株式会社 プレスリリース
http://www.symbiopharma.com/news/20160208.pdf